【一般】
「草枕」変奏曲 夏目漱石とグレン・グールド
「草枕」変奏曲  夏目漱石とグレン・グールド
横田庄一郎/著
四六判 上製 268頁 (本体1900円+税) ISBN4-931284-38-8 (1998.5)
カナダの天才ピアニスト グレン・グールド 彼の死後、枕もとにあった二冊の本――「聖書」と「草枕」。日本の国民的作家夏目漱石の「草枕」を、グレン・グールドが愛読していたという意外な事実。

朝日新聞記者である著者の綿密な取材と大胆な推理によって奏でられるヴァリエーション(変奏曲)!
 

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 グールドは一九八二年十月四日午前十一時三十分、五十歳で亡くなった。自然死ではなかった。彼は九月二十五日に満五十歳の誕生日を迎えた二日後の二十七日午後二時ごろ目覚め、体の異常に気がついた。半身が麻痺して脳卒中の発作を起こしていた。秘書のような役割をしていた友人のレイ・ロバーツを電話で呼び、彼によってとろんと総合病院に運び込まれた。意識はあり、口をきいていた。
………………………………(「第一 聖書とともに」より)

■本書目次
はじめに
第一 聖書とともに
第二 小天温泉
第三 『草枕』の出会い
第四 「三角の世界」
第五 六年目の翻訳
第六 非人情の旅
第七 モーツァルトという世俗
第八 グールドの朗読
第九 グールドの第一章
第十 書き込み
第十一 志保田の娘のノート
第十二 ラジオ番組
第十三 オフェーリア
第十四 グールドのオフェーリア
第十五 漱石のオフェーリア
第十六 草枕絵巻
第十七 音楽としての『草枕』
第十八 『草枕』の音楽論
第十九 夏目家の音楽
第二十 探偵とスパイ
第二十一 横臥の主題
第二十二 出世間のコンサート引退
第二十三 なぞなぞ
第二十四 禅と俳句
第二十五 『砂の女』
第二十六 日本
第二十七 五十知命
第二十八 グールドラッシュ
第二十九 神話
第三十 長い夜
おわりに


【横田庄一郎の本】

漱石とグールド 8人の「草枕」協奏曲(横田庄一郎/編)
西郷隆盛惜別譜
第九「初めて」物語
キリシタンと西洋音楽
フルトヴェングラー幻の東京公演
富永仲基の「楽律考」 儒教と音楽について
おわらの恋風

大久保利通の肖像 その生と死をめぐって


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