……………………………………………………… 『木屑録』は、夏目漱石が、明治二十二年、二十三歳のときにつくった漢文紀行である。漱石は第一高等中学校の生徒であった。 このとしの夏やすみを、漱石は旅行にすごした。 当時高等中学校は、七月に学年がおわり、九月にあたらしい学年が始まるのであったから、夏やすみはまた学年休暇でもある。漱石にとっては、本科一年の過程をおえ、二年に進級する前の休暇であった。 ………………………………(「はじめに」より)
■本書目次 はじめに 木屑録訳 漱石と子規 明治二十二年夏 東京大学予備門 七草集 てがみ 「漢文」について 「漢文」の定義 訓読の歴史 符牒 文字言語 明治以後 日本人と文章 作品としての文章 根なしぐさ 福澤諭吉と魯迅 風流韻事 木屑録をよむ 木屑録の構成 文 詩 矛盾 子規の評価 木屑録自筆稿本写真版 木屑録活字版 あとがき
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