高島俊男さん受賞のことば
漱石のことはいくつか散発的に書いているし、週刊誌のコラムでもしょっちゅうひきあいに出しているが、まとまった本を書いたのはこの『漱石の夏やすみ』が初めてである。「千円札の漱石」を知らない人はないからちっとは売れてくれるんじゃないかと期待したが、甘かった。そりゃあまあ千円札を持ってる人がみな漱石の本を、買う訳じゃないんだものね。
それがなんと読売文学賞をいただけるという。はじめはかつがれてるんじゃないかと思ったが、どうもホントらしい。よっぽど運がよかったんですね。お選びくださった先生がたにあつくお礼もうしあげます。 |