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エンジェルは、大きな緑の家のまえにある、ポーチのブランコにのって、チョコレート・クッキーをたべながら、スー・バートンの『みならいかんごし』をよんでいました。たいくつな本。エンジェルは、自分がかんごしさんになりたくないことは知っています。クッキーはおいしい。クルミが入っていて。お母さんは今ではパートにしか出かけないから、いろんなおいしいものを作ってくれます。エンジェルがこれまでずっとのぞんでいたように、ふつうのお母さんになれたので、パートに行くだけでよくなったのです。八月にお母さんは道化師と結婚しました。名まえはルディといい、まだお母さんのボーイフレンドだったころは、エンジェルもいろいろなやみましたが、けっきょくはうまく行ったのでした。今はふつうの家族として幸せにくらしています。
………………………………(「1 よめない本」より)
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