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地球の平均気温がグラフに収まりきらなくなり、熱帯の森林火災や洪水がそのきびしさを増し、危急種のリストは長くなる一方の時代に、未来を楽観視するのはむずかしい。しかし、こういった環境破壊が新聞の見出しを飾る、今の時代に、環境危機対策に決定的な変化をもたらすきっかけを私たちは掴みかけている気配を感じることがある。一つの社会的なきっかけをいったん掴むことができれば、一九八九年と九〇年に東ヨーロッパで起こった政治体制の変化と同じくらいに、根本的に私たちの生活態度を変えることになるだろう。
………………………………(「序章 二一世紀への環境政策パラダイム」より) |