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ある日、草原に、ウォンバットがひとりぼっちですわっていました。
ウォンバットは、ずんぐりした動物で、ドアマットのようなあつい毛におおわれています。足は太くて短く、しっぽといえるようなしっぽはありません。目は茶色です。鼻はすべすべしていて、顔の真ん中にちょこんとついています。コアラの鼻に似ています。
ウォンバットには、きょうだいがひとりもいませんでした。おじさんもおばさんもいませんでした。だから、さびしくてたまりません。その上、おこづかいを全部使ってしまって、ポケットは空っぽでした。
………………………………(「1 ウォンバット、友だちを見つける」より) |