【一般】
回想 音楽の街 私のモスクワ
小野光子/著
Teruko Ono
四六判 上製 506頁 ISBN 978-4-86085-096-8
(本体2800円+税)(2011.3)
ソプラノ歌手小野光子は日本人初のモスクワ音楽院留学生。日本の楽壇に初めて系統的にロシヤ歌曲を紹介、東京芸術大学の教師としても多くの演奏家を育てる。本書は、恩師ニーナ・ドルリアクとその夫で20世紀最大のピアニスト、リヒテルとの公私にわたる長年の交流、4回務めたチャイコフスキー・コンクールの審査員、3年間に180回のソヴェト・コンサート・ツアーの経験などを、ユニークな文章で回想したものである。
 

■本書目次
 
第一章 ニーナ先生とリヒテル
  出会い/ ニーナ先生の一日/ リヒテルの住い/
   モスクワでのリヒテルの生活/遅刻 ― してない遅刻? / リヒテルの芸術と私/
    リヒテル家への泥棒予告/ オカ河畔の別荘で 

第二章 モスクワ音楽院留学記
 T はじめの半年に(一九五六(昭和三一)年 三月〜八月)出発まで ―
    ロシヤ音楽への関心は? / ウィーンまで そしてウィーンで/ とうとうモスクワへ/
    お目見え試験/ 声楽のレッスン始まる/ 学生寮と奨学金/ 声楽科の他の学課― ダンス他/
    ロシア語上達の速かったわけ/ ドルリアク・クラスのクラスメート/
    音楽院の制度と声楽科の授業/ 声楽教育・オペラ/ 演奏会で/
    もてた話・もてなかった話(1)/ 春着/ 二つの学生集会/
    夏休み(とてももてた話 2)/ 母のこと・モスクワの日本人女性たち
 U 残る四年の歳月の中で(一九五六(昭和三一)年 九月〜一九六〇(昭和三五)年 七月)
   新学期 ラスポポフ家のフラットで/
   モスクワ(一九五七年)ウイーン(一九五九年)のフェスティバルに参加して ― /
    音楽院の外で ― / モスクワの市民感情


第三章 私のソ連各地コンサート・ツアー
   ●(一九六五、六六、六七(昭和四〇、四一、四二)年)一八〇回の演奏会
   留学から帰国して/ 再びソ連へ/ コンサート・ツアー始まる/ ヴォルガ川の西側で/
    ヴォルガで/ カフカズ(コーカサス)/ コンサート・ツアーの同行者・会場・聴衆/
   中央アジヤ/ 中央シベリヤ ― 北東へ千キロ アルタイ山脈を越えて/ 西シベリヤへは? /
   黒海で声の下半分が出なくなる/ 旅と旅の間のモスクワ生活 ― / パリへ一人旅/
   全ソ作曲家同盟会長(フレニコフ)室を練習室にする ―そして帰国

第四章 リヒテルの来日コンサート
   ●リヒテルの初来日(一九七〇年)
   演奏会始まる/ 体調不良 そしてコンサート延期とキャンセル/ ピアニストって? /
   その後の二〇年間の来日の思い出/ 一九九〇年夏 モスクワで/ お二人の死

第四章 チャイコフスキー・コンクール 声楽部門 ― 記録と物語
  はじめの頃の話―そして第一回七位入賞者「ピアニスト松浦豊明氏の手記」(一九五八年)/
    第六回(一九七八年、声楽部門第四回) ― 審査員として/
    第七回(一九八二年、声楽部門第五回)/
    第九回(一九九〇年、声楽部門第七回)/
    記念すべき第一〇回(一九九四年、声楽部門第八回)について
          ― 参加していない私の知り得た範囲で ― /
    第一一回(一九九八年、声楽部門第九回)



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