【一般】
板東俘虜収容所の全貌 所長松江豊壽のめざしたもの
田村一郎/著
Ichiro Tamura   
四六判 上製 264頁 ISBN 978-4-86085-085-2
(本体1900円+税)(2010.1)
第一次世界大戦で日本は、ドイツの植民地であった中国山東半島の青島でドイツ軍と戦った。
戦いに敗れたドイツ兵は日本に送られ、各地の俘虜収容所で数年間を過ごす。鳴門市にあった板東俘虜収容所は俘虜に対する人道的扱いで、後年有名になる。
第二次世界大戦当時、日本軍の捕虜になった兵士への虐待、現代でもイラク戦争におけるアメリカ軍の捕虜虐待にみるように、捕虜虐待は軍隊と戦争が存在する限りなくならないであろう。
それでは、なぜ板東俘虜収容所は人道的収容所となったのか?
鳴門市はドイツリューネブルクと姉妹都市になり、収容所を記念する鳴門市ドイツ館が建設され、今なお交流が続いている。
 

■本書目次
 
第一章 「模範的収容所バンドー」
  一. 「青島戦争」とドイツ兵の日本への収容
     1.「青島戦争」 2.ドイツ兵の日本への収容
   二. 「ドイツ兵厚遇」の背景
     1.それまでの日独関係  2.「条約改正」と「戦争条約」の重視
   三. 板東のドイツ兵の構成
     1.青島の独逸軍の部隊構成 2.板東での構成と人数 3.出身地 4.職業 5.信仰
   四. 「バンドー」を「模範収容所」にしたもの
     1.充実した施設・設備 2.配慮の行き届いた管理体制 3.ドイツ兵の積極性

第二章 模範収容所所長 松江豊壽
   一. 松江所長の軌跡
     1.会津人・斗南人 2.松江をめぐる疑問点 3.家系と「斗南」体験
     4.「韓国」時代 5.国内流転 6.若松市長時代 7.晩年
   二. 松江を支えたもの− 「敗者へのいたわり」


第三章 松江所長の遺産の継承
   一. 解放と帰国
   二. 交流の復活
   三. 「戦没者慰霊」とのかかわり

第四章 「板東」研究の現状と研究資料
   一. 研究の現状
   二. 研究資料
     1.元俘虜による文献資料 2.参考文献等

補説 「板東」前史としての「徳島俘虜収容所」 (川上三郎)

収容所日誌



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