【一般】
レコードの虚像と実像
【絶版】
                  ウ ソ        ホ ン ト

レコードの虚像と実像
相澤昭八郎/著
四六判 上製 265頁 (本体1800円+税) ISBN4-931284-49-3 (1999.11)
生(ライヴ)の演奏活動をまったくやめ、レコードやテレビのみを活動の場としたピアニスト グレン・グールドと、レコードを絶対に認めない指揮者セルジュ・チェリビダッケ。

2人の偉大な音楽家の対立する立場を軸に、複製芸術としてのレコードの意味実像を明らかにする。

一般的には知られていない録音技術の問題や演奏会場における音楽技術(PA)の利用など、音楽ファンの好奇心を満たす記述の数々。
 

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 長い間、レコードの芸術性に疑問が持たれることが多いのは何故だろうと考えてきた。
 本書は、四十年ほどになるレコード制作と音楽評論の経験から辿りついたレコード芸術論であり、マスメディア論でもある。
 レコードの芸術論については、素直にこれを認める人がいる一方で、なにがしかの胡散臭さを感じている人もまた多い。来る世紀へ向けて、マスメディアが一段と進歩発達の度合いを高めている今日、その一郭に重要な位置を占めるレコードの芸術性を解明することは、二十一世紀の音楽文化を考える上で、絶対に避けて通れない道である。
………………………………(「まえがき」より)


■本書目次

まえがき
第1章 グールドとチェリビダッケ
  対立する二つの立場
  グールドの証言
第2章 レコードは真実を伝えられるか
  歴史的考察
  編集というプロセス
  編集プロセスの創造性
  ライブ録音について
  SPレコードの時代
第3章 複製芸術としてのレコード
  複製芸術とは何か
  レコードの次元と生(ライヴ)の次元
  クラシックとポピュラー
第4章 レコードの虚像性
  虚像(ウソ)は実像(ホント)のためのテクニック
  ワンポイント録音とマルチポイント録音
  作曲家は聴こえない音をなぜ書くのか
第5章 レコードの創造性とPA
  カラヤンのこと
  作曲家や演奏家とレコード制作者との容易ならざる関係
  PAに関する誤解
  ウィーン国立オペラのPA
  日本のオペラ公演とPA
  PAにおけるディレクターの役割
第6章 レコードの演奏論
  すぐれた保存性とデジタル録音
  カラヤンとイ・ムジチ
  演奏論の危うさ
第7章 視覚(コンサート)による幻惑
第8章 アーカイヴとしてのレコード
  レコードの普遍的価値
  ブラームスのピアノ録音
  ブラームスのロウ管をめぐって
  川上音二郎と田中希代子
第9章 チェリビダッケ
  チェリビダッケのレコード
  浮世絵をめぐって
第10章 グールド
  グールドのレコード
  漱石の『草枕』をめぐって
  マックルーア、ペイジとの対話
第11章 レコードの虚像(ウソ)と実像(ホント)
付録 (対談)息子イオアンが語るセルジュ・チェリビダッケの真実
あとがき


【相澤昭八郎の本】

レコードの虚像(ウソ)と実像(ホント)   
舞台裏からみたクラシック−音楽の創造とプロデューサー−

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