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「王様の耳はロバの耳」(2026)
 
2026年5月1日
バスの乗務員不足』  ニュースで頻繁に報じられる公共交通機関の乗務員不足は、直接的経験としては、バスの運行本数の減少があり、新しく雇用された乗務員の訓練をしているバスを頻繁に見かけることに表れている。全国レベルでは万単位の乗務員不足が伝えられている。最近、インドネシアの女性の、バス乗務員になるための長期にわたる教育訓練の状況が報道されるのを見た。
 新しく練習中のバスは、窓に「教習中」という表示板を出し、指導役の乗務員が同乗している。私が利用している路線は多摩丘陵を走っているので、曲がりくねった坂道が多い。慣れるまではさぞかし大変だろうと想像する。毎日利用している路線バスでは、曲線の下りの坂道をかなりのスピードで下っていく。もうすこしゆっくり走ってもいいと思うほどだ。
(宮)
   
2026年4月24日
特急つばめ』  暖かくなったせいで浅川にはいろいろな鳥が姿を見せる。土手の遊歩道に着地して食べ物を探している鳥たちは、近頃は歩いている人を恐れている気配がない。ハトはもちろんのこと、コスズメさえ人が傍を通っても飛んで逃げるのでなく、ちょっとだけ距離を取るぐらいの動きしかしない。
 今朝はツバメをみた。地面から1メートルぐらいの高さを、すごいスピードで飛び回っている。地面のデコボコなどまったく気にせず飛んでいる。歩いている人の直前をぶつかることもなく、横切る。昔むかし、つばめの飛行ぶりを知っている鉄道マンが東京大阪間の特急列車に「つばめ」という名前を付けたのはもっともだと納得した。
(宮)
   
 
かぜのあとに』  風が強い日が時々ある。先日もそうだった。風がない日はものたりないが、強すぎる風は歩くのも大変だし、思わぬ事故につながることもあるから用心しなければならない。
 さて風のはなし。先週、いつものように歩く道々でタンポポをみていた。最初の頃に咲き始めた花はいまどき、あちらこちらで、まあるいホワホワとした綿毛になっていていて、花もたくさん咲いているが、いたるところに綿毛だらけ。飛ぶ準備は万端という様相がみてとれた。その日は風の強い日だった。そしてその翌日…綿毛たちはほとんどみんな飛び立ち、ハゲちゃびんの茎があちらこちらに残されていた。その数の多いこと!その残された茎に前日の風の強さを思い出す。そういえば、その日、会社の窓の向こうにも何かの綿毛が舞っていたっけ。みんなどこに着地しただろうか。行先が気になるところだ。
(やぎ)
   
2026年4月17日
危険な世界』  トランプがアメリカ大統領である故に、トランプ大統領の無茶苦茶な発言を、世界は無視することができない。無視できなくて、いろんな種類の対応がなされる。ヨーロッパ諸国は、当初トランプに迎合するような対応が目についたが、最近は次第に距離を取り始めたようだ。それに比べると、高市首相の、世界に平和と繁栄を齎すことができるのはドナルドだけという発言は、これも対応の一つではあるが、どうも恥ずかしくてやりきれない。
 トランプからは、イランを石器時代に戻すという類の、およそ正気の人間が言うとは思えない発言が、毎日のように出てくる。これに対する反応によっては、思いもよらぬ事態に発展して世界戦争になってしまうのではないかという不安を捨てることができない。しかし、ウオール街では、トランプを読み切ってTACO(Trump Always Chickens Out)トレードで荒稼ぎという現象があるという。金のために利用できないことはないらしい。この種のニュースにいちいち驚いていては、我々は到底生きていけない世界に暮らしている。
(宮)
   
2026年4月10日
『新型バス  毎日バスに乗っていると、新型に出会う。最近出会ったのは床に段差がないバスだ。中扉から乗車すると後方に向かって2段の階段があるのが一般的だが、最近出会った新型は階段がない。その代わり後方の座席を分断して半端でない大きな構造物ができている。このタイプにも何種類かあって、一つは例えば二人が並んで座る前向きの座席はなく、一人掛け座席のあとに二人掛け後ろ向きの座席がある。床の段差を無くすために考えられていると思うが、何か落ち着かないデザインだ。いくつかの型から、いつか量産型が出てくるのだろうか。これほどの変化でなくても乗務員のすぐ後ろにある高い位置の座席があったりなかったり、細部のデザインを変更した変型は以前から結構ある。小さな変更を次々加えていくが、そこまでする必要があるのかとも思う。(宮)
   
2026年4月2日
『浅川の雉  春らしい暖かな日があり、植物が若芽を出し、桜が満開になった今、浅川の河川敷には雉の声が響いている。以前と比べると頻繁に鳴き声がする。数が増えているのではないか。これまでは声はすれども姿は見えずという状態がおおくて、鳴き声がするあたりに目を凝らすと対岸の草むらにチラッと姿が見えるぐらいだった。特徴のある鳴き声なので、声を聴けば見えないと知りながらついつい姿を探してしまう。しかし姿は見えないのだ。ところが先日、鳴き声が間近に聞こえるので目をやると、土手の法面を一羽の雉がゆっくり歩いているのを見つけた。川岸のこちら側で初めて見ただけでなく、近いので独特の姿をはっきりと見ることができたのだ。立ち止まってじっくり見てしまった。(宮)
   
2026年3月27日
『車中で見た親子  日本で生活する外国人が、ずいぶん増えていると実感する。日常生活の中で様々な場面に出会う。ある日曜日に、私が住んでいる団地でやっと歩いているぐらいの小さな子どもに出会った。団地内のせまい坂道だったので、「こんにちわ」と声をかけたら、にこにこ笑って目を合わせてきた。父親がついていたので、言葉を交わすと東洋人だけど外国人だ。こうして交流できるのは子どものお陰だ。
 別の日、用事で京王線に乗った。すいている向かいの座席に親子連れがいた。この車中の外国人(白人)は息子らしい5歳ぐらいの男の子に、なにごとかしきりに教えている。というか子どもを躾ているような雰囲気で熱心に話しかけている。男の子は母親がたぶん日本人なのだろうと想像される風貌をしている。というのは、顔かたちの印象だけでなく、子どもに話しかけている外国人は、とても流暢な日本語で喋っているのだ。内容までは聞き取れなかったが、とにかく達者な日本語だ。二人はひとしきり話していたが、やがて男の子はスマホを手にして操作に熱中していた。
(宮)
   
2026年3月19日
『トランプ  毎日トランプの発言に世界中が振り回されている。ホルムズ海峡に艦船を派遣せよと言ったが、どこの国も躊躇しているのをみて、アメリカの世話になっているのに、アメリカを助けようとしないと批判したあと、強国のアメリカはそもそも協力などは必要ないと言い放つ。どこの国も本心ではアメリカが国際法を無視して始めた戦争に協力したくない。
 トランプの発言は刻々と変わり、世界中を混乱に陥らせる。こんなトランプにアメリカ国内では、どんな対応がされているのか知りたいが、新聞テレビの報道ではよくわからない。そして大きな出来事があったときにニュースとして報じられる。例えば今日のニュースで、国家テロ対策センターのケント長官が「イランは米国に差し迫った脅威をもたらしていなかった」と指摘し「良心に恥じることなくイランでの戦争を支持することはできない」と辞任を表明したという。
 トランプ政権の内部からこういう動きが出てくることに、細やかだがアメリカの今後に希望を感じる。
(宮)
   
2026年3月13日
『「マロニエの木陰」と、松島詩子  高幡不動駅の駅前広場の一角に「マロニエ」という洋菓子店がある。バスに乗るためにもスーパーに買い物に行くためにも、この洋菓子店を見ないで行くことはできない。そして「マロニエ」という名前を見た瞬間、松島詩子が歌う『マロニエの木陰』が頭に浮かんでくる。昭和時代の後半にはテレビで、昭和の歌謡曲を回顧する歌番組があって、松島詩子の歌う『マロニエの木陰』が繰り返し出てきた。独特の声と歌い方が、しっかり頭に刻み込まれているのだ。高幡不動駅前での、そんな頭の働きを我ながらおかしいと思いながら、毎日のように、頭の中で松島詩子の声を聴いている。ネットの「二木紘三の歌物語」をみたら、この曲は、昭和12年にリリースされた和製コンチネンタルタンゴの傑作とあった。(宮)
   
2026年3月6日
『図書館のセルフ借り出し  新しく登録した図書館で初めて本を借りようとしたら、セルフ借り出しだった。初めてなので係の人が傍で親切に教えてくれたが、図書館までセルフとは驚いた。慣れればスムースにできるようになりますと言われて、そうですねと答えたが、そういう問題ではないのではという違和感を覚えた。
 以前ワンマンバスのことを書いたことがあるが、ワンマンどころか無人運転が熱心に研究されている。電車では、地下鉄にだいぶ前からワンマン運転が導入されている。私は地下鉄のワンマン運転は反対だ。乗り物はいつどんな事故に遭遇するかわからない。何百人もの乗客をのせた電車が、ワンマンで切り抜けられるのだろうか。車掌が同乗していることが必要だ。それぐらいの余裕をもって社会の仕組みをかんがえてほしい。効率最優先ではいけないと思う。人が対応するべき事柄と、セルフでもいい事柄とよく考えてほしい。人手不足と効率化の追求が背景にあることはわかっているが……。
(宮)
   
2026年2月27日
こんなところにキャベツ!』  最近ちょっと自分が心配だ。毎朝お弁当を作っているのだが、冷凍庫から何かを出そうと開けた時のこと。むむむ。レジ袋に入れられた何かが冷凍庫に鎮座していたのだった。なんだろうと思って袋をのぞき込んでびっくりした!なんと半分にした、使いかけのキャベツが冷凍庫に凍っていたのだった。誰が…いや、私以外にいれる人はいない。犯人は、「わ・た・し」なのだった。その時のショックなことといったらなかった。そしてなぜか私はそのキャベツをどうしていいかわからず解凍してしまった。もちろん想像したらそうなることはわかっていたのに、解凍された水っぽいキャベツを手にして途方に暮れた。もったいないので一度水分を絞って調理してはみたものの、なんとなくもうおいしくなくなっていて、食べていても品質も味も不安しかない感じ。半分たべてのこりは、作ってくれた人には申し訳ないが捨てることに。幸いおなかは壊さなかったので腐っているわけではなかったのかもしれない。後日そのことを同僚に話したら、キャベツ?私もやったことあるよ!とのこと、解凍はしないほうがいいねと。解凍しないでザクザク切って調理すればいいんだよとキャベツ冷凍の先輩(同僚)。そうか、そうだねと私。そして、あっそうなんだ!みんなやることなんだと、ちょっとほっとしたのだが、もし二人してボケていたら一緒だねと思っているうちにボケも進行してしまうかもしれない。ふと我に返って苦笑い。苦くも笑っている場合じゃないかもしれない…。(やぎ)
   
2026年2月20日
『世論調査  総選挙に際して世論調査がさかんに行われ、自民党圧勝という結果がでた。これについて、投票日前には、近年の調査方法にたいするさまざまな疑問から、獲得議席の予測が外れるのではないかという見方も結構出てきた。どちらの予想が的中するのか注目していたが、選挙の結果は、大手マスメディアの予想通り自民党圧勝になった。調査方法にたいする疑問にもかかわらず、大手マスメディアの予想が当たったのだ。ニュースで報じられる世論調査、例えば最近のNHKの調査では、回収率一つとっても、40パーセント前半でしかない。さらにその他のもろもろの調査方法上の欠陥にもかかわらず、予想は当たっているのだ。批判されていた調査方法がそのままでいいとは思わないが、当面の獲得議席の予測という目的に対しては、それなりの結果を出していると言わざるを得ない。(宮)
   
2026年2月13日
犬の靴』  10年ぶりに『どうぶつにふくをきせてはいけません』の増刷ができたその日に出勤途上の浅川で、靴を履いた犬を散歩させている人に出会った。犬の靴は、服以上に違和感があったけれども、家族として犬と暮らしている人にとっては、裸足で歩いて汚れたままの足で部屋に入れることはとてもできないし、毎度足を拭う手間を考えれば、靴を履かせようというのは、自然な成り行きなのだろう。後刻、ネットで調べたら、犬の靴については実に沢山の記事があることが分かった。これまで私が知らなかっただけらしいが、10年も浅川土手を歩いていて、靴を履いた犬に出会ったのは今回が初めてだったのは、それほど一般化してはいないことなのだろうか。(宮)
   
今週の本棚』  毎週、毎日新聞の「今週の本棚」を読んで刺激され、教えられ、敬服している。たとえば2月7日には、3冊の本についての紹介記事をメモした。橋爪大三郎が紹介している藤井啓佑『教養としての量子コンピュータ』(ダイヤモンド社)、鹿島茂が紹介しているフランソワ・ケルソディ著・大嶋厚訳『チャーチル伝』(作品社)、荒川洋治が紹介してる『野菊の墓』(岩波文庫)
 量子コンピュータというものについて聞いたことはあり、画期的な能力を持っているらしいぐらいのイメージを持っているが、橋爪大三郎の紹介記事は、同書の内容をコンパクトに、しかし私のような読者にも理解でき、興味を持たせるような記事である。橋爪さんは丁寧に読んで、紹介していることが伝わってくる。読んでみたいと思った。
 『チャーチル伝』は危機の時代の政治家の生涯を描いた伝記で、混迷を極める現代に格好の本だと感じた。翻訳と紹介のタイミングがよかった本だろう。
 『野菊の墓』は古い本で、過去の岩波文庫にも存在するが、収録作品を変更して新しく出たようだ。荒川さんは紹介で、漱石の紹介文を引いている。『野菊の墓』は「名品です。自然で淡白で可哀想で、美しくて、野趣があって結構です。あんな小説ならば何百篇よんでもよろしい」と讃えた。これを読んだら、『野菊の墓』を読みたくなります。
 というわけで、毎日新聞の「今週の本棚」は私にとって、毎週欠かせない読みものとなっている。
(宮)
   
2026年2月6日
『衆議院総選挙  新聞・テレビが、総選挙の結果予想を出している。自民党が大勝するというのがそれだ。高市人気なるものが、いぜん力があって、そういう結果になるらしい。高市首相の発言がくるくる変わることや、事実でないこと=嘘を平気で口にすることもさして気にせず、初めての女性首相ということ、歯切れのよい喋り方を魅力と感じている多数の熱心な支持者がいる。
 今や、80年以上前の戦争の悲惨な経験や、戦争に至る歴史についての知識がない有権者が大多数になっている。若い有権者は、従来の政治家とは違う高市首相の言動に親近感を抱いている。100年近く前に、ヒトラーも選挙で第1党になるぐらいの人気があって、首相になった。私は、高市首相をヒトラーになぞらえることを、考えすぎだと思わない。
 世論調査を使って選挙区情勢を分析した結果が高市大勝だ。高市首相の能力、人物、政策に対して知識と判断力を持つ有権者は存在するが、少数でしかない。
 高市大勝の予想が覆るためには、自民党との連立から離脱した旧公明党支持者=創価学会員が、本気で「中道」支持に働くことにかかっているのではないか。
(宮)
   
2026年1月30日
『昭和史(岩波新書)  岩波新書の『昭和史』(初版は1955年)、古い本だ。マルクス主義の教条主義的記述が批判され、昭和史論争を引き起こした。批判を受けて新版がでたが、私はいま初版を読み始めた。確かにマルクス主義の型にはまった記述が気になるところもあるが、しかし、読み続けて気づいたのは、この本が対象としている戦前の昭和時代の政治状況、社会状況が、いま眼前に見ている状況に実によく似ていることだ。
 国内政治の世界では、当時軍部が政治的影響力を増していく一方、政党は国民の信頼を次第に失い、ドイツのナチの影響もあって、大政翼賛会になだれ込んでいった。現在は国政選挙の投票率が50パーセントを切るほどに有権者の政治的関心が薄れる中で、新しい政党が次々生まれている。
 国際政治では、当時ヒトラーのドイツが軍事力を使って周辺国を併合していき、融和政策をとっていたヨーロッパ諸国も、最後には融和政策を捨てて、第二次世界大戦になった。現在ではプーチン、トランプがやはり軍事力を使って強引に自分の主張を押し通している。弱肉強食の時代に戻ってしまった。
 戦前の日本の昭和時代は、軍部が政治の実権を握り、無謀な戦争に突き進んでいった。現代は今後どういう道筋を辿ることになるのだろうか。高市首相は安全保障問題を主要な政治課題ととして掲げ、半端でない軍備増強に進むことをはっきり打ち出している。日本と、世界の前途には、悲観的な予測しか出てこない。
(宮)
   
2026年1月23日
『衆議院解散  また選挙だ。高市首相は、発言を次々変更して、衆議院解散を決断した。きわめて短い選挙期間であるうえに当初予算の年度内不成立、大量の降雪が予想される真冬の選挙と、悪条件が重なっているが、高市首相は自分が総理大臣であることについて、国民の信任を得るために解散すると言明した。しかし、日本は大統領制ではなく、議院内閣制なので、制度的には国民の信任を既に得ていて、改めて首相信任の選挙をする必要はそもそもない。にもかかわらず、首相にあのように言われると、高市首相はいかにも国民の意思を尊重している政治家だと感じさせる。この弁舌の巧みさに、多くの有権者は納得して、相変わらず高い支持率が維持されるのではないか。
 中国との関係では、日中国交正常化以来の台湾問題の微妙な扱いの経緯を知っている歴代内閣は、問題が出てくると曖昧な表現で、逃げてきた。分かりにくい態度だ。これに対して高市首相は、わかりやすくきっぱりと問題を取り上げた。その結果、中国との関係は急速に悪化し、今も解決の兆しはないが、高市首相は話し合いが大事であり、必要だと認めたうえで、「日本は、話し合うことに常に窓を開けている、オープンです。」と繰り返している。高市首相の言葉は、微妙な外交問題の扱いに、慣れない有権者には、分かりやすく共感しやすい。この問題でも高市人気は引き続き維持されるだろう。
 対する野党、とくに公明党と立憲民主党は、中道改革連合を作って対抗している。テレビを見ない、新聞を読まない若い有権者は、中道改革連合をどこまで知っているだろうか。選挙結果は、投票率がどうなるかによって大きく変動するかもしれないが、しかし、結局のところ旧公明党員が小選挙区で、自民党候補者でなく、中道改革連合の候補者をどこまで本気で支持するかにかかっているのではないか。
(宮)
   
2026年1月16日
『愛着と信頼  アメリカ新聞界のデジタル戦略において「圧勝組」といえるのはニューヨーク・タイムズだという記事を朝日新聞で読んだ。2025年9月末の総購読者数は1233万人という(1月9日「津山恵子のメディア私評ー好調のNYT愛着と信頼ーつなげたデジタル戦略」)。驚くべき数字だ。津山さんは、どういう記事がよく読まれているか、またニュース部門での音声サービスの利用者が激増していることなども紹介している。他方、ニューヨーク・タイムズに対してワシントン・ポストでは、2024年の大統領選挙での報道ぶりに失望した読者約20万人超が、一気に解約したという。
 ネット上で新しく登場したアプリは多彩で、その便利さを一通り知ることすら私には追い付かない。しかし津山さんが紹介しているニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストの例からわかるのは、読者、利用者の愛着と信頼を勝ち得ているか否かこそが問題だということだ。日本の新聞は、オールド・メディアなどという批判を撥ね返して、再び読者の愛着と信頼を取戻すことができるであろうか?
(宮)
   
 
『懐かしい場所へ  先日、社長、同僚、わたしの3人で懐かしい場所へ行ってきた。日野に引っ越してくる前の朔北社が入居していたビルだ。ちょうど著者(もともとその方のおうちの方から誘われて入ったビルだった)がその地下に部屋を借りていて本の納品をするためだ。今回少し多めの納品であったため、スーパーカーゴ便2台にわけて運び、そこから先は地下へ階段を使って運び入れるつもりだ。
 現在このビルは【千代田区景観まちづくり重要物件】となっている。1926(大正15)年に建てられたレトロな建物でそのビルで働いていたとき、その建物がとても好きだった。鍵も飾りものと思われるような真鍮製(?)の太くて重い鍵で本物の鍵とは思われない鍵だった。そのビルも私たちが出た後、しばらくして本館の裏にあった新館が立て替えられ新しいマンションになり、それに伴い本館と新館をつなぐ建物内の通路ができ、その場所にあったトイレは本館側に移り、エレベーターの設置などが行われたそうである。真新しくなった新館のマンションはすぐに入居者で埋まったそうだ。当の本館はというと外観に少しの変化とセキュリティが強化されていて、昔のゆるゆるの、ある時間になるとビルの前と後ろの扉の鍵が人によってしめられていた時代とは大違いで扉はレトロなままなのに扉を閉めると自動ロックがかかるしくみになっていた。
 目的の著者の事務所は現在本館の地下にあり、本館の裏手に配送会社の車をとめてもらい、同僚Mとわたしと配送会社の人とせっせと運びこんだ。ビルにエレベーターはついたものの、地下にいくエレベーターはなく階段でのて運び。だが3人いたので汗をかいたり、息はあがったが2台の軽トラックの荷物を各車15分ずつ計30分でおろして部屋に納めることができた。リニューアルした本館はなつかしさ半分と感動半分でなにより、本館と新館の間の外通路は完全にインドア化され、そのスペースにはおしゃれな休憩所のようなロビーのような一角が誕生していた。その壁をよくよくみると、もとの建物をいかした造りになっていた。本館は重要物件であるから下手な手はくわえられないのかもしれない。よくみると本館の窓はそのままの形で建物ごと屋根や壁におおわれてインドア化しているのであった。部屋の主たちにとってそこは外に繋がる窓であったが、いまやロビーに面した窓となった。窓としての機能は少々損なわれたが、使いようによっては面白い窓となった。そのまま生かす建築はどこかヘンテコだけどなんとなく愛おしい感じがする。(やぎ)
   
2026年1月9日
『新年の不安  会社の年賀状に一言書き加えるときに、戦後80年経った今、不安を覚えると書いた。新年早々、明るい希望に満ちた言葉でなく、陰気くさい言葉を書いたことに抵抗感が無かったわけではないが、実感なのであえて書いた。そして、2026年正月になったとたん、アメリカ軍のベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領夫妻の拉致が報道された。同時に次々報じられるトランプ大統領の発言には、ほとほと驚あきれた。第一次世界大戦以前の帝国主義時代に戻ったのだと思った。1991年のソ連崩壊とその前後のむき出しの資本主義への回帰は、今日の世界の混乱の始まりで、トランプ大統領の再登場は、その政治的な仕上げなのだ。(宮)
   
 
『不思議な二人  新年最初なので気の利いたことでも書きたいが、思いつかないので最近(ここ一年くらい)気になっていることを書きたい。会社に通うという日々同じルーティンで過ごしていると、いつもすれ違う見知らぬだれかという存在が、だれしも一人や二人いるのではないだろうか。わたしも例にもれずその存在がいるのだが一組が気になって仕方ない。
 一組とくくったのはいつも二人だからだ。その二人は姉妹だと思われる。もしくは姉妹でも双子なのかもしれない。なぜなら二人の顔や姿形が瓜二つ。毎日縦に一列になって歩いている。一列なのは細い階段を上がってくるからなのかもしれないし、改札を通るためかもしれないが、いつも駅でしか見ないから、普通の道で二人がどのようにして歩いているかはわからない。不思議なのは二人そろって表情に変化がないこと。いつも同じ無表情で、二人で歩いているのに二人が話をしている姿を見たことはない。淡々と、そしてさほど離れずの近距離を縦列に並んで歩いているのだが前に歩くほうが後ろを振り返ることはまずなく、後ろから「ねえ」と同じ顔の彼女に話しかけるふうでもない。一緒に駅までくるのが嫌でもなさそうだが、うれしそうでもない。毎日のことなら変化もありそうなものだが、二人の表情はいつも平静なままなのだった。二人は仲がよいようにも見えないが悪そうにも見えない。まるで不思議なドラマの一コマのように私の前を同じ顔の二人が、表情をぴくりとも動かさず通り過ぎていくのだった。あの人たちが二人で話したり笑ったりするところを一度でいいから見てみたい。不思議すぎて気になる二人。(やぎ)
   
 
新年のちいさな決意  2026年になりました。令和8年です。
令和になり、もう8年も経っているだなんてまったく信じられない。歳を重ねるごとに、1年経つのが早く感じるといいますが、本当にその通りです。
 生生まれ育った街で18年過ごし、その後上京して30年以上経ちましたが、最初の18年のほうがずっと長い時間に感じるのだから、人間の感覚とは不思議なものです。
そういえば、昨年1年間、ロバ耳を書いていませんでした。まさか1年間書いてなかったとは…感覚としては3~4か月くらいでしょうか。あっという間の1年でした。
今年は、ほんの少しでもゆっくりに感じられるよう、日々丁寧に暮らしたいと思っています。ロバ耳もがんばります。
(みなりん)