まずは、表紙をみて一目惚れ。ぱらりと頁をめくり、ユーモア溢れる柔らかくかわいい絵に、心をギュッと掴まれてしまいました。あれもこれも買えないので、気になる本は図書館で読んでぐっと我慢なのですが、どうしても手元に置きたくて、購入した1冊です。
あとがきで、訳者の大澤さんがフランスに訪れたときにお土産屋さんでさり気なく置かれていた原書の絵に目がとまり、モンヴェルの挿絵に心を鷲掴みにされた…と書いてあるのを読んで、大きくうなずきました。納得です。
フランスの詩人ラ・フォンテーヌが、皇帝ルイ14世の王太子に「人生の教訓を学んでもらいたい」との思いで作られた寓話集、擬人化した動物たちを主人公に描かれています。
物語調でわかりやすい文章は、辛辣なお話もスッと心に入ってきて、なるほどと考えさせられ、ユーモラスな絵が、少々チクリとくるお話でもクスリと笑ってしまいます。不思議なもので、読むときの自分の心境や状況でとらえ方が異なり、同じ話でもまた違う味わいになるので、いつも手の届く場所に……。ふと読みたくなって、時折、開いています。(文:みなりん) |