読み始めてすぐ、夢中になった。シリーズの2冊、ずっと夢中になって読んだ。
こんなにおもしろい本、読まなかったらもったいない。これは子ども(小学生)にも教えなくちゃ!
「この本、すごーーーーくおもしろいから、読んでみたら?」
「へぇ〜、どこがどんなふうにおもしろいの?」
「えーとね、そうね、どこがっていうか、うーん、どこ?全部?」
「……ふうん」
思いが強すぎると、上手いこと勧められないのです、私。
この本は、日本の動物園にいる七頭の動物のおじいさん、おばあさんと、その飼育員さんを取材し紹介しています。動物との、毎日のこと、今までの思い出、これからのこと、飼育員さんの語り口調そのままに文章になっていて、これがまたなんとも言えず、いい味わい。それぞれの飼育員さんの人柄もわかり、いろんな出来事を一緒に乗り越えてきた、動物への愛情と信頼がひしひしと伝わってきます。登場する動物たちはみんな「○○さん」と、さん付けで紹介され、生まれてからの履歴書と顔写真が載っているので親近感も湧き、読んでいるうちに、会いたい気持ちでいっぱいになります。
さて、冒頭の私のイマイチな勧めにもかかわらず、子どもはこの本を手にとり、夢中で読み、「○○さんはまだ元気かな?」「○○さんは、生きてるかな?」と、気にかけています。本が出版されてから、少し時間が経っているので、天寿を全うした動物たちもいます。本を読んで「会いにいきたい」と思ったのに、亡くなったことがわかれば、少しせつない気持ちになるけれど、この本の中で、そのいきいきとした姿にいつでも会うことができます。そして、まだまだ長生きしてる、おじいさんおばあさんには「会いにいけたらいいね」と、子どもと話しています。
人間とか動物とか関係なく、お互いが直に向き合い過ごし育む信頼関係、そしてそれぞれの人生、生きること死ぬこと、命のこと、この本には大切なことがたくさん詰まっています。ぜひ、子どもと一緒に読んで欲しいです。シリーズ2冊目の「ライオンのおじいさん、いるかのおばあさん」もぜひ。
そして、さらなるシリーズの続編、親子で楽しみに待っています!(文:みなりん) |