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「この本おもしろかったよ!」
1ヶ月に約1冊のペースで朔北社出版部の3人がお気に入りの本を紹介。本のジャンルは様々なので「本を買う時の参考にしてくれればいいな。」という、ひそかな野望がつまっているコーナー。

。本のジャンルは様々なので「本を買う時の参考にしてくれればいいな。」という、ひそかな野望がつまっているコーナー。

【紹介した書籍に興味をお持ちの方へ】 この本は朔北社の出版物ではありませんので、出版状況等に関しましては、お近くの書店、あるいは各出版社にお問い合わせ下さい。

ちいさい言語学者の冒険
子どもに学ぶことばの秘密
  岩波科学ライブラリー
広瀬友紀/著

岩波書店


子どもの言葉の言い間違いはとてもかわいい。
子どもが小さいころによく言っていたこと。
「血ががでた」→なんで、がが二つ?
「蚊ににさされた」→え?蟹にさされた?
そして、この本の表紙に書いてあって目に飛びこんできた言葉。
「これ食べたら死む?」
そうそう、「死む」って言ってた!

思い出す言葉のあれもこれも、ずっと子どもの言い間違いだと思っていた。
ところが、この本を読んで、この言い間違い、実は単純な言い間違いではなく、子どもが言葉を覚える過程での必要な通り道で、ちゃんと意味があるのだと知った。もちろん、私たち大人もそうして日本語をマスターしたのだ。

この本には、「子ども言葉」の「これ、あるある」という楽しさとともに、その裏にある日本語、言葉の仕組みが面白く興味深く書かれている。私たちは知らず知らずのうちに、ずいぶん高度なしくみの日本語を使いこなしていることに驚く。「へぇ〜」「えーっ」「確かに!」と、目から鱗の驚きの連続。言葉ってこんなに面白いのかと感動した。

本当は、あるあるの実例をここに書きたいのだけれど、ちょこっと書いてしまうのはもったいない。これはもうとにかく本を読んでもらって、ぜひ目から鱗を味わってもらいたい。(文:みなりん)