【児童・絵本】
ミスターオレンジ
トゥルース・マティ/著  野坂悦子/訳 平澤朋子/絵
四六判 上製 256頁(本体1500円+税)ISBN978-4-86085-124-8 (2016.9)
舞台は、1943年のニューヨーク。八百屋の少年ライナスは、オレンジを注文するひとりの画家と親しくなる。その人を「ミスターオレンジ」と呼び、まっしろな壁に原色の四角を貼りつけた明るいアトリエに魅了される。ナチスが支配するヨーロッパから命がけで逃げてきたその画家は、ライナスにとって特別な存在となる。兵隊になった兄を誇りに思うライナスは、少しずつ「現実」の戦争の恐ろしさに気がつく。そして、ミスターオレンジを通し、新しい「未来」に出会い、想像の自由を守ることの意味を自分で考えはじめた…。
 

2011年9月、オランダのハーグ市立美術館にできたモンドリアンの常設展示棟の落成を記念し、出版社からの依頼で作られた本が、「ミスターオレンジ」と、絵本「ケープドリとモンドリアンドリ」です。どちらも、モンドリアンの晩年をモデルにした作品となっています。そして、ふたつの本の作者二人は、実は夫婦です。「ケープドリとモンドリアンドリ」の中には、「ミスターオレンジ」の重要なアイテム、「オレンジの木箱」がこっそり描かれていたり、この二つの作品を、併せて読むと、とてもおもしろいです。そして、モンドリアンのことを知れば知るほど、この二つの本は実に奥深くいことがわかります。

【関連書籍】
「ケープドリとモンドリアンドリ」

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