子どもから大人への一歩を踏みだそうとするとき、目の前に広がる未知の世界は、子どもにとってどこか恐ろしく、不安なものなのではないでしょうか?
ほんの一歩踏みだせばいいとわかっていても、それができずに自分だけ置いてけぼりになっているような気がしてしまうのです。この絵本では、そんな子どもの気持ちを察し、父親が後押ししてくれますが、周りの人々の温かい目や励ましも、成長過程の子どもには重要なのでしょう。
ミレイユ・ダランセは子どもの不安な気持ち、またハードルを越えた一瞬を、温かく深みのある絵で描いています。特に、レオンが木の上から見下ろす世界は子どもの漠然とした不安を、見事に表現しています。
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