書名から、経済現象に肉薄した本かと思っていたのだが、ちがっていた。目次をみればわかるように、合理性とは無関係なさまざまな活動、人間の行為が、柔らかな感受性をもって探求されている。この読後感は、森達也の本を読んだときに似ているかもしれない。森さんの本で、初めて見たエスパーという言葉を知ったのだが、ソニーの「エスパー研究室」のことは第一章に出てくる。
それを含めて、目次をあげれおく。
第一章 ソニーと「超能力」
第二章 「永久機関」に群がる人々
第三章 京セラ「稲盛和夫」という呪術師
第四章 科学技術者のオカルト研究
第五章 「万能」 微生物EMと世界救世教
第六章 オカルトビジネスのドン「船井幸雄」
第七章 ヤマギシ会−日本企業のユートピア
第八章 米国政府が売り区むアムウェイ商法
終章 カルト資本主義の時代
日々自分が生きている現代日本社会のいろいろな現象のかなりのものに対してどうも自分の感覚にしっくりこない、おかしいと感じることがあるが、それを整現分類して、説明されているような気がする。
近代科学の最先端で仕事をしている科学者、技術者が「永久機関」を研究しているというのだから驚く。会社には船井幸雄の講演会の案内など、日常的に来る。
ヤマギシ会や、京セラや、とにかく、現代社会の日常生活に入りこんでいる組織の実態をかいま見ることができる。
というわけで、戦後60年になる日本の、混沌とした社会状況について、その断面をあざやかに見せてくれる本である。(文:宮) |