「この本おもしろかったよ!」

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(表紙は2巻です)

クソババァに花束を!!

鈴木由美子/作
講談社
この本は、鈴木由美子さんの作品です。鈴木由美子さんの作品は、結構笑える作品が多いので、この本も笑えると思い(題名も笑えそうだったので)買ってみた。ところが、この本は介護を描いたものだった。まだ呆ける前の母親は、足が弱くなってトイレに行こうとするが、間に合わずもらしてしまう。その時の母親の恥ずかしさ、子供の何とも言えない苛立ちさなどが、伝わってくる。そのうち母親が本当に呆けてしまう。
徘徊や痴呆症独特の妄想、食事の世話から、下の世話、まだ20歳ちょっとの女の子がすべて世話をしている。本当ならまだ遊びたい時期なのに一生懸命母の世話をする。思わず涙が出てくる。そんなある日、彼女は介護に疲れたせいか、「母親が死ねばいいのに・・・」と、思ってしまう。そんなリアルな感情も、何故かわかる。母親にもそんな娘の気持ちが判ったのか、具合が悪くなってしまい点滴を打つが、その点滴を母親自身外して死のうとしてしまう。最後は、自分の生みの親、やっぱりどんなでも生きていてほしいと思い、母を思いやり、また世話をする。というお話。読み終えたあと、考えさせられた。
自分の母親は、今はまだ元気だが、いつそうなるともかぎらない。そんな時自分にはできるだろうか?など、不安な気持ちになった。やはり私も親には長生きしてもらいたと思うが、現実疲れてしまうかも・・・。頑張りすぎず、相手を思いやりながら、介護をすればいいのか。どうすればいいのか、今の私にはわからない。(文:福)