「この本おもしろかったよ!」
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雨上がり決死隊の天使と悪魔

雨上がり決死隊/著
ぴあ
毎日笑っていられたら幸せだろうなと思う。だからこそ、人を笑わすことは凄いことなのだと思う。
それも内輪の人間に対してだけではなく、不特定多数の人間を相手に長いスパンで、笑いを提供し続けることは、本当に本当に凄い事なのだ。

約10年前、深夜に放映されていたお笑い番組からでた、吉本印天然素材という若手お笑いコンビで結成されたグループがあった。
コントをしたり、ダンスをしたり、当時すごい人気で、私はその中の一組のコンビ「雨上がり決死隊」の大ファンだった。
『絶対売れる。だって一番おもしろいんだから』友人達を前に熱弁し、いつも笑われた。
結局「天然素材」の中から、東京で最初にブレイクをして、看板番組を持ち、世に名がしれたのは、友人の多くがファンだったナインティナインだった。
東京でのメディア事情に関して言えば「天然素材」がなくり、「雨上がり決死隊」をブラウン管で見ることが少なくなった。いわゆる不遇の時代がしばらく続いた。
「継続は力なり」というが、それでもやめないで地道に笑わせ続けてきた小さな波が、こんなにも大きな波になった。今テレビをつければ「雨上がり決死隊」を見ない日はない。

あれから時間は流れ、ナインティナインのファンだった友人たちはもう彼らのファンではない。
私はと言えば、今も「雨上がり決死隊」のファンである。
コンビ結成13年。天然素材から10年。東京進出から5年。ついに今年大ブレイクした彼らの初の単行本が発売された。

この本を紹介するのは、一人でも多くの人に読んでもらいたいと思うファン心である。
でもこれは、ファンだけが喜ぶありがちなタレント本ではなく、才能あるお笑いコンビが、頭と体と時間を使って作ったおもしろい本なのだ。読めばわかる。
写真あり、トークあり、コラムあり、笑いたい人にはお勧めである。・・・と言いつつ、私は笑って、笑って、笑った後、あとがきでちょっと感動して泣いてしまったけれど。
当時の友人はみんな見てるだろうか?だから言ったでしょう、「雨上がり決死隊」は絶対売れるって。『だって、一番おもしろいんだから』(文:みなりん)