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大千世界の生き物たち |
スズキコージ/作 |
架空社 |
自分が知らないから、見えないからと言って、その存在を否定するのはつまらない。
証明されている物だけが実存すると思うのも淋しい。空想の世界、虚無の世界だと言うのは簡単だけれど、その前に、少しだけ頭をいつもと違う方向に動かしてみるのも楽しいものだ。
大人になるにつれ、知識も増え、ある程度の常識も身につけた。
それと引き替えに大人になる課程でなくした知識と常識も確実にあるように思う。こどもの頃には、見えてた物が、今見えないのはなぜだろう?
・・・と、小難しい話は抜きにして。
この本は、著者が子供の頃から出会った(それは今現在も続いているらしい)
人間でもない、お化けでもない、生き物を見開きで紹介してくれる1冊だ。
その数、全部で71。独特の絵にその生き物の性格や行動が説明としてつけられている。
ページをめくるたびに出てくる、奇妙な生き物のネーミング、姿、形に心奪われ、終始笑顔になってしまう。
とくに「○○○マン」と語尾につくネーミングのものが私はお気に入りである。「○○○マン」とつくものは、かなりの割合でヒーローや正義の味方だったりするが、ここに登場する「○○○マン」は、風貌も行動もちょっとマヌケな感じなのだ。
頭の奥の普段使わない部分をこそっと刺激されたような、未知の秘密ワールドに引き込まれるような感覚をこの本が今の私に与えてくれる。(文:みなりん) |
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