「この本おもしろかったよ!」
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 エリセラさんご

エリセラさんご

水木桂子/ぶん 和田誠/え
朔北社
この本は珊瑚の一生をごくごくシンプルに描いた絵本です。我が社の営業Mさんが書店さんでこの本いいよと勧められて出すことになったのだか、最近とても気に入っている。以前は、リブロポートから出版されていたのだそうだ。私は珊瑚のことをあまり知らなかった。正確には「珊瑚礁ってキレイ」とか珊瑚のネックレスとかそういう類の知識しかなかった。ましてや珊瑚が動物だっていうこともこの本で初めて知った。この本の文章の部分を担当している水木桂子さんは Katherine Muzik という本名があって日本人ではないのでした。彼女は沖縄の白保で長いこと八方珊瑚の研究をしていて、今はプエルトリコに住んでいる。白保は珊瑚礁がキレイなので有名な場所なのだそうだ。

この本の中で海のこと、珊瑚のこと、汚染のことなどをさらっと書いているがそのさらっとした文章の中になにか私の心にのこるものがあった。それでまた和田誠さんのカラフルで小細工のない絵がバチッと決まっている。

本が出来上がってきたらこの本がもっと好きになり、本当に珊瑚を見に海に、沖縄に、石垣島の白保に行きたくなっていても立ってもいられなくなった。海にもぐって自然の中に身を委ねたいという思いと、半分仕事のことも兼ねながら、本屋のダイビング雑誌のコーナーへ。海の中の写真が満載だった。珊瑚も魚も美しい。作られたものでない美しさがそこにはあった。3冊雑誌を購入。しばし喫茶店で読みふけった。

『エリセラさんご』の巻末にも珊瑚の写真と説明、この本にもでてくる海の仲間達の写真が図鑑のように載っている。子どもも大人も、そして英語しか読めないひとにも(英語と日本語の並記)気軽に読んでもらいたい。先日書店営業でこの本のことを説明していたら、この水木桂子さんって知っている!という人に2人もあった。どうやら妹尾河童さんの本の中で読んだことがあるのだそうだ。その本を探すべく書店をまわったが見つからなかった(書名がはっきりわからないから現物をぱらぱら見るしかないのだ)あとの頼みは図書館だ。もうすぐ珊瑚の産卵の時期が来る。海の営みがいつまでも続きますように…。ちなみにこの本は朔北社の本ですが、だから書いたわけではありません。あしからず。(文:やぎ)