このごろあまり絵本を買うことがなくなってしまった。買うことがあっても仕事絡みで翻訳したい洋書絵本だったり、人にプレゼントするためのものだったり、自分のものは少し痛んだ本を神保町のブックフェスティバルで安く手に入れるくらいになった。子どもの本を出版している会社なのに…。
最近久々に手に入れたこの本は神保町で手に入れたものだが、えらく気に入っている。前から図書館でみて「ほしーなーあ」と思っていた。ルラルさんとはこの本の主人公のめがねをかけたハゲおじさんだ。その設定がもっと気に入った。だいたい私はおじさんが好きなのだ。なんだか気持ちのいい、風景のなかでルラルさんがもくもくと芝生の手入れをしているとみんなその庭に入りたくて寄って来るんだけれど、大切な庭だからって、中にいれてくれないの。
だけどある日、いっぴきの動物がにわにはいりこんで芝生で寝ていた。「芝生のちくちくがお腹にあたって気持ちいいから、あんたもやってみな」なんて言われたら、そうか、そうかとやってみたくなるのが人情だろう。それが気持ちよさそうで、絵を見ているだけで芝生にころがってうっとりした気分になってしまう本なのだ。
きっとこの本を読んだら、芝生にみーんなで寝ころびたくなっちゃうと思う。気分が爽快になりたい人は読んでみてほしい。ちなみにこのおじさんが主人公の絵本が他にも2冊あるのを私は知っている。(文:やぎ) |