凶悪犯罪が起きて、ニュースやワイドショー、マスコミが騒ぎ、自然とその事件について詳しくなり、犯人逮捕、裁判の頃になれば、その人のプライベートな部分まで詳細に知ることになる。それなのに、判決が下った確定囚のその後をあまり知ることがありませんでした。
この本は、凶悪犯罪を起こした13人の死刑囚の、処刑までの日々と人生最後の瞬間をとてもリアルに描いています。死刑囚の「生き様」と「死に際」、そのどちらもあまりの凄まじさに読んでいて体が震えました。
著者が伝えたかったと思われる、死刑制度のあり方、死刑制度の是非に関しては、正直言ってよくわかりません。賛成の場合も反対の場合もあるだろう、という感じでしかないのです。ただこの本を読んで人間として「生きる」ことについて考えずにはいられませんでした。(文:みなりん) |